今や、社内業務にパソコンを利用した様々な社内システムは欠かせない。また、利便性を高めるため、システムのバージョンアップや別システムへの移行も珍しくない。その度に開催される簡単な勉強会や利用マニュアルなどにより、新たなシステムの導入に対応してきた。
ところが、年配の方を中心に新たなシステムに対応しきれない人も少なくなく、このような人達は、システムを使う必要が出てくると、その度に使い方を我々若手社員に聞いてくる。我々若手社員は、何度聞かれようとも笑顔で対応するが、でも実は心の中では「いい加減覚えろよ。仮にも我が国の情報産業推進の一翼を担う会社の社員だろ!」とボヤいていたりする。
果たして数ヶ月前より、かねてから取り沙汰されている情報漏洩問題の対策の一環として、大容量のファイルを送信する際、メール添付せずに、とあるシステムを使用するよう社内規定が改訂された。このシステムが、使用方法が難しく、全く分からない。
幸い、大容量ファイルを送信する必要性に迫られる業務は無かったし、同世代の社員を含めた担当内の全社員が使い方が分からない状況にあったため、これはさすがに不完全なシステムだなと思っていたのだが。
本日、入社間も無い(本当の)若手社員から、そのシステムを利用して資料が届けられた。
「資料ありがとう。っていうか、よくもまあ、こんな分かりにくいシステムを使いこなしてるね。」
「え?そうでうか?簡単ですよ。」
そうですか。スイマセン。どうやら「新しいシステムに対応しきれない」側に少しずつ踏み入れ始めているようです。踏み入れて初めて分かる「対応しきれない」側の気持ち。これからは、「いい加減覚えろよ。仮にも我が国の情報産業推進の一翼を担う会社の社員だろ!」と思うのはやめよう。絶対にやめよう。