2013年10月15日火曜日

セイバーメトリクス2013

 レギュラーシーズンが終わったので、毎年恒例のセイバーメトリクスによるシーズンの振り返り。今年も打者は100打席以上、投手は30イニング以上を対象とする。昨年のデータはこちらから。

 「セイバーメトリクス2012

 まずは元祖セイバーメトリクスとも言える出塁率。一般的に4割超えれば一流。

 1.バレンティン.455 2.阿部.427 3.ヘルマン.418 4.高橋由.416 5.ブランコ.416 6.梶谷.413 7.岡島.405 8.鳥谷.402 9.ルナ.399 10.栗山.396 11.川端(S).393 12.長谷川.392 13.中村(H).392 14.ジョーンズ.391 15.井口.390 16.木村(C).389 17.浅村.388 18.村田.385 19.李大浩.384 20.糸井.384

 西武を2位に押し上げたのはトップバッターのヘルマンの力が大きかったことが分かる。楽天における岡島も同様。梶谷がシーズン通してこの活躍ができれば、来シーズンのDeNAは面白いかも。

 続いて、セイバーメトリクスの代名詞とも言えるOPS。出塁率+長打率で計算され、10割超えると超一流。

 1.バレンティン1.234 2.ブランコ1.049 3.梶谷1.047 4.阿部.991 5.高橋由.950 6.浅村.943 7.中田.932 8.後藤(DB).927 9.ルナ.919 10.長谷川.903 11.井口.902 12.村田.896 13.マギー.891 14.李大浩.878 15.アブレイユ.863 16.柳田.860 17.平田.853 18.内川.853 19.糸井.852 20.ジョーンズ.845

 バレンティンが脅威の12割超え。100打席以上で12割を超えたのは、歴代で、王(5回)、落合(2回)、バース、カブレラに続き5人目。球史に残るスラッガーであることが分かる。ホームラン記録を打ち立てのだから、当たり前だが。他にも、浅村がリーグを代表するスラッガーに成長し、清原が認めたソフトバンクの柳田が数字でも結果を残した。

 続いてTA。アウト一つ取られるまでに、いくつの塁を奪ったかを表す指標で、これも1.0超が超一流。

 1.バレンティン1.448 2.ブランコ1.132 3.阿部1.111 4.梶谷1.097 5.高橋由1.008 6.浅村.961 7.中田.926 8.後藤(DB).923 9.長谷川.920 10.井口.913 11.ルナ.902 12.糸井.898 13.柳田.897 14.村田.894 15.ジョーンズ.889 16.マギー.886 17.キラ.863 18.李大浩.854 19.陽.840 20.アブレイユ.838

 OPSとあまり変わらない顔ぶれだが、気になるのはDeNAの後藤。今シーズンは代打がメインだったが、スタメン起用すればもう一花咲かすことが出来るかも知れない。

 投手部門。

 最初はWHIP。1イニングに何人のランナーを出しているのかを表していて、1.0未満は超一流。

 1.青木0.89 2.ファルケンボーグ0.91 3.マシソン0.92 4.田中0.96 5.前田健0.97 6.森福0.97 7.サファテ0.99 8.山口(G)0.99 9.加藤(T)0.99 10.筒井1.01 11.金子1.02 12.永川勝1.02 13.嘉弥真1.03 14.柳瀬1.04 15.大原1.04 16.千賀1.05 17.長谷部1.05 18.金刃1.06 19.五十嵐1.07 20.岸田1.07

 何と、12球団トップは巨人の青木。ソフトバンクのリリーフ陣が目立ち、このチームは先発がもうちょっと整備されていればAクラスに入れたのだろう。先発陣でランクインした田中、前田健、金子が、日本プロ野球界の3本柱と言えるか。

 続いてDIPS。チームの守備力とは関係無く、あくまでも投手がコントロールできる内容のみを数値化した指標で、2.5以下は超一流とされる。

 1.千賀1.85 2.平野佳2.07 3.マシソン2.09 4.岸田2.21 5.ラズナー2.30 6.田中2.34 7.五十嵐2.34 8.嘉弥真2.35 9.山口(G)2.60 10.金刃2.64 11.柳瀬2.64 12.加藤(T)2.66 13.益田2.67 14.増井2.72 15.森福2.80 16.金子2.81 17.長谷部2.82 18.ロサ2.82 19.比嘉2.86 20.西村2.87

 ここでも目立つソフトバンクのリリーフ陣。千賀、五十嵐、嘉弥真、柳瀬、森福。リリーフ投手はケガが多いポジションなので、来シーズンも活躍できるか分からないが、それでも来シーズンのソフトバンクには期待できそうな予感。

 最後にK/BB。文字通りの指標で、打たせて取るタイプの投手が評価されにくく、個人的には日本のプロ野球には馴染まないのではと思っているが、年々注目されてきている指標でもある。

 1.岸田7.57 2.田中5.72 3.永川勝5.60 4.森福5.10 5.平野佳5.07 6.比嘉4.91 7.岸4.45 8.ロサ4.36 9.マシソン4.28 10.菅野4.19 11.金刃4.17 12.加藤(T)4.15 13.益田4.13 14.前田健3.95 15.増井3.94 16.岩嵜3.86 17.大石(L)3.67 18.ラズナー3.64 19.筒井3.55 20.攝津3.48

 DIPSと似たような顔ぶれだが、西武の大石が意外。来シーズンは更なるステップアップとなるか。オリックスのリリーフ陣もいい数字を残していて、ここも先発投手陣の更なるレベルアップがチーム浮上のカギとなる。

2 件のコメント:

  1. これって、元々は1球団の選手格付け指標だよね。

    納得できるものもあるけど、計算方法に明確な理由のないものも多いんだが…ホントに信頼できる指標なの?



    その球団の評価基準(アウトにならない打者がいいバッター、など)があまりに前面に出すぎていて、一般的な指標として使えるのか、いつも疑問に思ってしまうんだけど。







    そういえば、12球団で唯一ドラゴンズだけが個人タイトルに無縁でした。



    セ・リーグ5球団すべてに負け越し、対パ・リーグも勝ち越し1、タイ3、負け越し2と惨敗し、リーグ4位にいるのが不思議なチームにふさわしい壊れっぷりだなあと…(ToT)

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  2. >hiroshiさま

     信頼性というよりも、違った角度の見方を提案しているに過ぎない指標だと思っています。



     あと、球団内の格付けではないはずです。むしろ、一般的にはあまり優れていないとされている選手を、別の角度で発掘するための指標だと思っています。っていうか、もともとはそういう思想でメジャーのアスレチックスが採用したもののはずです。

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