50年代にアメリカに渡ったユダヤ人建築家の半生を描いたノンフィクション映画。
観おわった後、そういう印象を受けたのだが、調べたところどうやらフィクションとのこと。フィクションであそこまで描くとは、アカデミーノミネートも納得の作品。
あまりにもドラマチックに良い時と悪い時が行ったり来たりする主人公の運命。大きな仕事をもらい、離れていた家族とも再会を果たし、何もかも順調のはずなのに苛立ちが増すシーンは、何となくその心境が分かる気がして、感情移入が深まり、どんどん話に引き込まれていった。一見、うまくいっているようでも焦りから苛立ちが出てしまうのは、けっこうありがちなこと。
ただ、フィクションであれば最後の結末のところは、もう少ししっかり描いて欲しかったかな。3時間を超える超大作で、途中に15分の休憩があるという珍しいタイプの映画でもあった。ちなみに、タイトルのブルータリストというのは、この時期に見られるブルータリズムと言われる建築様式の建築家のことらしい。
少し感じたのは、この映画の舞台でもある50年代のアメリカを舞台にした映画って、けっこう好きかも。価値観が自分に合っているのか観ていて感情移入しやすい。少なくとも2020年代の日本よりは50年代のアメリカの方が自分の感覚に近いのだと思う。そんなことに気付かされた作品でもあった。
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