あっという間に半分以上が終わったバンクーバーオリンピック。連日、早朝に起きて、出社時間ギリギリまで観戦しているため、いつも以上に濃厚なオリンピック期間を過ごしているが、ここでテレビで生観戦した競技を中心に、前半戦を振り返る。
○開会式
フロア全体をスクリーンにする演出は、とても綺麗だったし、見た目だけでなく技術的にも凄いと思った。しかし、驚かさせたのはそこぐらいで、全体的には冗長でイマイチ。聖火点灯時の機械トラブルも残念だった。
○女子モーグル
期待の上村愛子は4位。残念な結果だが、上位3選手のターンはレベルが違っていた。むしろ里谷多英の方がトップクラスのスピードを持っていたように感じられただけに、セカンドエアでの転倒は残念。
○男子ノルディック複合
小林範仁がラスト1周で単独トップに躍り出る大健闘。このまま逃げ切るのではないかと大興奮したが、結果は7位。やはり、世界は底力が違うのか。
○男子モーグル
さほど期待していなかったのだが、遠藤尚の予選のパフォーマンスには驚かされた。ターンはバツグンのキレだし、エアは高くてフォームがとてもキレイ。メダルには届かなかったが、いいものを見せてもらった。
○男子スノーボードクロス
どんなに実力があっても、ちょっとしたことで転倒すればもちろん、他の選手の転倒とかに巻き込まれても、そこで終了となるのがこの競技。実力はもちろん運も味方につけないと勝てないのが面白さでもあり恐さでもある。そんな競技でトリノに続いて連覇を果たしたセス・ウェスコットは凄すぎる。銅メダルを獲得したフランスのトニー・ラモワンという選手は、いつも遅れ気味に滑りながら、必ず上位選手が転倒し、決勝まで勝ちあがってくる運を持ち合わせていたことも印象的だった。
○スピードスケート
男子500mでの長島圭一郎と加藤条治のダブルメダル獲得は感動的だった。快挙を成し遂げた長島だが、続く1,000mで37位に沈んだのは残念。スタートトラブルがあったとは言え、500mの銀獲得で、燃え尽きてしまった感があったのも否めないところだろう。
女子3,000mでは、穂積雅子が6位入賞。正直、この選手のことは全く知らなかったが、たまたま生観戦してた時に好成績をあげた瞬間を観られたのは、良かった。
女子500mでは、個人的に今大会注目度No.1の小平奈緒が登場。1回目の時に、並走者が転倒してしまう不運があり12位と沈んでしまった。そんな小平だったが、1,000mでは5位と大健闘。でも惜しくもメダルには届かなかった。注目の高木美帆は35位。これは完走した選手の中では最下位の成績。後半は足が動いていたように見えたので、前半のスピードを磨けば、上位に食い込むことができる選手になりそう。
○フィギュアスケートペア
注目の川口・スミルノフペアは4位となり、メダルを逃した。残念だが、驚いたのは、この種目でロシアは過去、オリンピックで12連覇していたということ。お家芸というありきたりな言葉を超越した金字塔である。
○スノーボードハーフパイプ
注目はもちろん国母和宏。予選の滑りは、ショーン・ホワイトは別格としても、それに次ぐぐらいのものはあったと思う。特に、マックツイストは美しかった。ところが決勝では転倒してしまい8位。それでも逆風の中、よくここまでの成績を残したと思う。騒動になった服装問題だが、あれは、周りが事前にちゃんと注意してあげるべきだったこと。それをしなかった周りが一番悪いと思うし、国母本人も否がないわけではないが、どちらかというと被害者かな。
○フィギュアスケート男子
高橋大輔が見事銅メダルを獲得。最初の4回転は失敗したが、その後の演技は力強さと美しさを兼ね備えていて、思わず魅了された。もし4回転が決まっていたら金メダルだったかも。そんな高橋は、このオリンピックをもって競技から引退する意向を示唆しているが、そうなると次世代の男子エースは小塚崇彦だろう。大きな大会で一度も4回転を決めたことがなかったにも関わらず、オリンピックという大舞台で跳んでしまうあたり、タダモノではない。これこそスポーツ選手に求められる資質である。一方、織田信成は自らの判断ミスにより、演技中に靴紐が切れてしまうというお粗末ぶり。だからこそ、余計に今後の小塚に期待したくなる。また、王者プルシェンコは、4回転を跳ばずして金メダルを獲得したライサチェクに関して、採点システムを批判したが、プルシェンコは全てのジャンプを転倒せずにやり切ったものの、軸が傾いていて、素人目に見ても、決してキレイなジャンプではなかった。あれは金メダルに値する演技ではない。
○女子カーリング
テレビ観戦したのは中国戦のみ。競技の奥が深すぎて、その一投がどういう意図をもって投げられたものなのか、全く分からない。スキップの出番ぐらいになってくれば何とか理解できるのだが、そこまでの過程が全く分からないので、どうにもあまり興味を持って観ることができない競技だと感じた。
○ダウンヒル
何度見ても、そのスピード感に圧倒されるこの競技。山の上から一気に長い距離を駆け下りるのに、上位はコンマ数秒のタイムの差しかないのだから、驚かされる。
○クロスカントリー
ほとんどの種目で日本人選手は惨敗。日本はマラソンが強いので、長距離の素質はあると思うのだが、世界に全く歯が立たないのは何故だろう。
思いもよらず、かなりの長文になってしまった。それだけオリンピック漬けの日々を送っているということなので、あしからず。