アカデミー受賞作は、観る方にも高いレベルの鑑賞スキルが要るようだ。
今年の作品賞を受賞した「BiRDMAN」は、難しい映画だった。舞台は現代。主人公は、かつて当たり役により大スターになったものの、続編の制作を断ったところからケチが付き始め、いまやすっかり落ちぶれてしまった俳優。その俳優が、復活を期するために、自ら主演・演出で舞台に勝負に出るというもの。フィクションなのかノンフィクションなのか不明。ノンフィクションっぽいけど。
全編において、長回しの映像が印象的で、それがノンフィクションのドキュメンタリーのように感じさせる演出かも。ただ、そんなリアリティ溢れる映像なだけに、時折登場する回想のようなシーンが唐突。主人公が自身の心の声と対峙するシーンが多いのだが、そのシーンにあのキャラクターは必要か?
ラストシーンに向かってのオチは、何となく想像できるものであり、でも、その必然性がよく分からない。主人公が、あの状況で、あの行動を取る必要が、どこにあったのだろうか。
アカデミー受賞作と言うこともあって、有難がってじっくりと鑑賞したが、さほど目が肥えていない僕からすると、何がそんなに素晴らしいのか、よく分からない映画だった。アカデミーってそんなもんなんだろうけど。
0 件のコメント:
コメントを投稿