2012年10月7日日曜日

偉大な夢を可能にしてくれた!

 F1日本グランプリ決勝。小林可夢偉は2列目の3番手スタート。サーキットに何かやってくれそうな雰囲気が漂う中、フォーメーションラップが行われ、レースが始まった。

 大事なスタート。可夢偉は見事に決め、2番手に飛び込む。場内の盛り上がりは一気に最高潮に。皆、自然とガッツポーズが飛び出し、目の前に可夢偉が通るときには拍手が起こり、旗が揺れる。

 先に1回目のピットインを迎える可夢偉。しかし、これが良くなかった。コースインした場所には遅い車が。これで数周の間、前を押さえつけられてしまう。

 その間、異次元のはやさでトップを走るベッテルは仕方ないにしても、マッサに抜かれ、全車ピットインしてレースが落ち着いたときには3番手に後退してしまう。

 ここからがこの日の見せどころ。マッサとはスピード差があり、ちょっと追いつけない状況。逆に4番手のバトンが追い上げてくる。逃げる可夢偉。追うバトン。

 両者自己ベストを更新し続け、差は詰まるようで詰まりきれない。広がるようで広がらない。1秒差に詰め寄られればDRSによって逆転されるのは必至。つまり可夢偉は”バトンと1秒差”という見えない敵との戦いを続けているのだ。

 2回目のピットが終わっても状況変わらず。3位を巡る息を呑む攻防戦。そしてレースは終盤に。

 残り10周。スタンドのざわつきが大きくなってくる。目の前に可夢偉が通り過ぎるときの歓声と拍手もどんどんヒートアップ。

 そしていよいよ残り2周。依然として1秒差になりそうでならないギリギリのレース。スタンドはどんどん落ち着かなくなってきて、立ち上がったり、それが自然とウェーブのようになったり。

 ついにファイナルラップ。歓声と拍手が止まらない。行け!可夢偉!表彰台は目の前だ!

 そのままチェッカーフラッグ。場内総立ち。止まらない歓声。鳴り止まないエアホーン。やまない拍手。そしてどこからともなく湧き上がる可夢偉コール。感動だ。これまでも何度も鈴鹿に足を運んだし、テレビ観戦も含めると数え切れないほどのレースを見てきているが、こんな感動は無い。この日のレースを忘れることは無いだろう。

 日本人がF1の表彰台に上がったのは、鈴木亜久里、佐藤琢磨に続き3人目。鈴鹿では2人目。文字通り偉大な夢を可能にしてくれた。

 ありがとう、可夢偉。願わくば、来年、もっと凄い夢を見せてくれ!

0 件のコメント:

コメントを投稿