2013年8月17日土曜日

高校野球観戦記 ~安楽は10年に1人ってほどではない~

 2013.8.17 済美×花巻東@阪神甲子園球場
花巻東 201 000 000 4│7
済美 000 000 120 3│6

 大会ナンバーワン投手であり、史上最速のストレートを記録するかも知れないと言われている済美高校の安楽投手を一度はナマで見てみたいと思い、炎天下の甲子園へ繰り出してきた。この日は幸運にも時折日が陰る天候で、陰っている時は風が涼しく感じた。まあ、大半の日が照っている時間帯は灼熱地獄だったけど。

 席はライトスタンドに確保。無料という点にも惹かれたが、それ以上に、巨人ファンの僕としては甲子園のライトスタンドから野球を観る経験なんて、普通ではあり得ないので、一度はその景色を味わいたかったからである。

 当たり前だけど、やっぱり遠いですね。

 注目の安楽は、初回にいきなり3連打と押し出しの死球で2失点。確かにボールは速いし、実際、この日も150Km/h超を含む145Km/h超えを連発していたが、10年に1人と言われる超高校級投手にある凄みは感じられなかった。

 ピッチングスタイルも特に7回までは遅い変化球を随所に挟んだ、緩急のコンビネーションによるピッチング。8回以降、ストレート主体になり、3者連続三振などの見せ場も作ったが、延長10回に崩れ万事休す。まだ2年生ということで、今回の経験を活かして、来年はもっとスケールアップして甲子園に戻ってきて欲しい。

 花巻東は4人の投手による継投だったのだが、3番手までの投手は、とにかく投球テンポが早かった。高校野球はプロ野球と比べてテンポはいいものだが、それにしてもこの3投手は早すぎ。キャッチャーからの返球を受けた瞬間、もう次の投球動作に入っている印象だった。ちなみに、この日も僕はスコアを付けながらの観戦だったが、スコアを書いている時に既に次の投球を始めていたということも少なくなかった。プロ野球は試合時間短縮を目指しているが、投球テンポを改善すれば、格段に試合時間は短くなるということが、改めて実感できた。

 もう一人、球場全体の注目を集めたのが花巻東の2番センター千葉選手。まわりの選手と比べても、ひと回り、いや、ふた回りは小さい。プロフィールを見ると、身長156cmとあるから、女子プロ野球選手よりも小さいのでは。

 これだけ小柄ということもあって、済美はセンターを内野に守らせて、内野5人体制の極端なシフト。ところが4打席目に、このシフトを嘲笑うかのようにライトオーバーの3塁打を放った。これには球場全体が沸いたし、次の第5打席の時には通常シフトに戻していたのが痛快だった。

 10回ウラ、4点差を追う済美は安楽の3ランで1点差まで追いすがる。この時、この日一番の盛り上がりを見せた甲子園。みんな、もっと安楽を見たかったのであろう。もっとも、一番の盛り上がりと感じたのは、僕が居たところの近くに飛んできたこともあり、特に周辺が盛り上がっていたからかも知れないが。

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