2019年7月14日日曜日

CDレビュー サカナクション「834.194」

 約6年ぶりのサカナクションのオリジナルアルバムは、珍しい2枚組。オリジナルアルバムでありながら、DISC1はポップな曲が中心、DISC2は重厚な曲が中心というコンセプチュアルな構成になっている。

 今作では、リリース前にツアーで楽曲を披露するという、あまり一般的ではない順序で活動を展開した。自分自身がそのツアーに行ったということもあり、アルバム発売に先行してライブで楽曲を聴き、今になって改めてアルバムで楽曲を聴きなおした形になったのだが、驚くほどにライブの記憶が甦ってきた。特にDISC1はアッパーなチューンが中心と言うこともあり、あの時の興奮が鮮明に思い出される。

 アルバムで初めて聴く曲は、余程インパクトのあるナンバーでも無い限り、一回では記憶に残らないし、その一回で曲が好きになるということは、個人的には滅多に経験することでは無い。ただ、今回は一度ライブという興奮の場で一度聴いているということがあったからなのか、アルバムの曲がどの曲も知っている曲に聴こえて、お気に入りの曲が何曲もできた。特に「モス」はかっこいいね。これって、ライブがアルバムの価値を高めているってことなんじゃないかと思う。

 もちろん、アルバム単体として聴いてもサカナクションの変わらぬ魅力が詰まった名盤だと思うが、改めて、アルバムとツアーは相乗効果で成り立っている。そんなことを感じさせられた一枚だった。

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