凄いシリーズだった。近年のシリーズは、一度流れがどちらかに傾くと一気に勝負が決してしまうことが多く、ハラハラドキドキ感をあまり感じられないことが多かったが、今年のシリーズは違っていた。勝負の流れは行ったり来たり。結局、最終戦のゲームセットまで、どう転ぶのか全く読めない熱戦が繰り広げられたと思う。こんなに面白かったのは92年・93年のSL決戦以来ではないだろうか。
その中で感じたのは、やはり短期決戦には短期決戦なりの戦い方があり、シーズン中のそれとは全く違うということ。ジャイアンツもシーズン中には見られないような早めの投手交代を見せたが、西武は第6戦の岸、第7戦の石井一、涌井の投入に見られるように、とにかく死にものぐるいで勝ちにきた。その投手起用は、完全分業制が確立した現代プロ野球ではお目にかかれないものだったし、80年代の日本シリーズを見ているようで、その辺りもワクワク感が増した点だった。ジャイアンツも、第7戦に上原を投入するぐらいの投手起用を見せていれば、結果は全然違ったものになっていたのではないだろうか。(そういえば、昨年の山井降板・岩瀬投入も短期決戦でしか見ることのできないウルトラ采配だったかな。)
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