ちょっと古いニュースになるが、今年の沢村賞は岩隈に贈られることになった。まずはニュース記事。
「岩隈に初の沢村賞=21勝、楽天から初」(後日追記:過去ニュース記事のためリンク切れ)
沢村賞の選考基準は、1)登板数25試合以上、2)完投数10試合以上、3)15勝以上、4)勝率6割以上、5)投球回200イニングス以上、6)150奪三振以上、7)防御率2.50以上の7項目。とは言え、これが絶対的な基準ではなく、あくまでも目安。というのは、プロ野球ファンなら誰でも知っていることだろう。
岩隈は、28試合・5完投・21勝・勝率.840・201 1/3イニングス・159奪三振・防御率1.87と6項目をクリアした。しかし、実にダルビッシュは、25試合・10完投・16勝・勝率.800・200 2/3イニングス・208奪三振・防御率1.88と全てにおいてクリアした。全項目クリアは昨年のダルビッシュ以来だが、その前に達成したのは93年の今中ということで、いかにダルビッシュが突出したピッチャーかということが分かる。(上原も松坂も斉藤和も井川も野茂も一度も達成していない!)
それでも、今年は岩隈が受賞した。何と言っても21勝という23年ぶりの快挙が評価されたのだが、ダルビッシュには悪いが、今年のこの選出判断は正しかったと言えよう。それだけ21勝というのは凄まじい記録なのだ。極端な話、中6日間隔・100球降板が当たり前で、20勝というのが最大の目標と化している現在日本プロ野球界において、20勝投手は出ても、21勝というのはもう二度と出てこないと思う。それほど、凄いことを岩隈はやったのだ。
ダルビッシュとのダブル受賞も考えられたようなのだが、セ・パ両リーグに選考対象が拡大された89年以降、ダブル受賞したのは03年の井川と斉藤和のみ。異なるリーグで比較が難しい03年のようなケースならともかく、ナンバーワン投手を選出する沢村賞の性格を考えると、同一リーグからのダブル受賞は似合わない。
そうはいっても、どこかスッキリしない感が残るのも事実。それは、ダルビッシュがオリンピックで1ヶ月戦列を離れていたのに対し、岩隈はフルシーズン投げ続けたというところにあるだろう。やはり、シーズン途中にチームの主力選手を戦線離脱させるような大会は、その在り方について再考した方が良さそうだ。(当面は、そのような大会はないので、そんな心配も要らないのでしょうけど。)
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