2014年3月10日月曜日

シネマレビュー 「それでも夜は明ける」

 今年のアカデミー賞作品賞を受賞作、「12 YEARS A SLAVE」(邦題:それでも夜は明ける)は史実に基づいたノンフィクションだ。

 普通の生活をしていたソロモン・ノーサップ氏は、ある日突然誘拐され、そのまま12年間の奴隷生活を強いられることになる。当時の黒人の多くは、そのまま奴隷として一生を終えるのだが、目の前で様々な絶望的な事象が起きようとも、彼は決して諦めることなく、解放への道を模索する。数々の残酷な場面にも遭遇するが、それこそがアメリカの負の歴史であり、それを淡々と描いているからこそ、この映画が発しようとしているメッセージが伝わってくる。

 印象的だったのがカメラワーク。長時間、特に場面展開も無いのに、そのまま撮影し続けるシーンが多く出てきた。そこに静かに流れる時間こそが、現実を物語っているようにも思えた。

 いかにもアメリカ人が好きそうなテーマだし、アカデミー賞を受賞するのも頷けるのだが、この映画、日本人には理解が難しいかも。アメリカの歴史の教育を一通り受けていれば、理解度も深まるし、より考えさせられる映画だとも思った。

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