2019年4月6日土曜日

日本ハムのショートスターター戦略

 昨シーズン、大リーグのタンパベイ・レイズが採用し、ポストシーズン進出を逃した20チームの中では最高勝率を残すほどの躍進に繋がったオープナー戦略。似た戦略にブルペンデーもあるが、それを日本版にアレンジしたショートスターター戦略を、こういう新しい物好きでもある日本ハムファイターズが、今シーズン開幕から採用している。ただ、結果は今のところ思わしくない。

 一応、おさらいで。

 オープナーとは、中継ぎ専門の投手を先発させ、基本的には1イニングで交代。2回からは本来の先発投手タイプの投手が投げる戦略。初回は、打順の並びからして最も得点力が高いため、そこを力のある中継ぎ投手に抑えてもらい、初回に相手に主導権を与えさせないのが目的だ。また、2回から投げる本来の先発投手としても、立ち上がりの不安定な場面で、相手の強力な2・3番と対戦しなくて済むため、スムーズに立ち上がれる。

 ブルペンデーは、1試合を中継ぎ投手のみで投げ切る戦略で、1人あたり基本的には1イニング、最大でも2イニング程度しか投げないので、中継ぎ投手が7~8人ぐらいは必要。ローテーションの谷間で、本当に誰も先発投手が居ない時に採用される。公式戦では無いが、2011年のオールスター第1戦で、セ・リーグが見せた継投が、まさにブルペンデー。

 この二つが、昨シーズンからメジャーで流行り出しているのだが、日本ハムが今シーズン採用しているショートスターターは、このどちらでもない。ショートスターター戦略は、先発タイプの投手を2人用意し、それぞれ3イニングぐらいを目途に投げさせる戦略で、本来先発タイプの投手を、いわばロングリリーフのように使い、力を最大限発揮させ、疲れる前に降板させるという考え方だろう。昨シーズンのポストシーズンで、ソフトバンクの工藤監督が石川と武田を第2先発と位置付けて、先発投手が崩れたら、すぐに交代させたが、この発想に近いのかも知れない。

  開幕して8試合というこの段階で、既に3試合でショートスターターを採用しているのだが、結果はこの有様。

 2日 加藤(3回)ーバーベイト(3回) 2人で1失点だったが援護なく黒星。
 4日 斎藤(1.2回)ー上原(3.2回) 2人とも失点を重ね合計6失点で黒星。
 6日 加藤(2回)-金子(2回) 加藤は好投したが金子が炎上し5失点で黒星。

 ということで、ショートスターターを採用した試合では0勝3敗。まだ、始めたばかりなので評価するのは早すぎるのかも知れないが、でもやっぱり、この戦略は日本のプロ野球には向いてないような気がする。

 そもそも、2018年のレイズは前評判が低く、いわば奇襲を仕掛けるしか無いような弱小チームだった。だからこそ見出した新たな戦略だと思うのだが、今シーズンの日本ハムはどちらかと言うと前評判は高く、奇襲を必要としていないはず。正攻法で戦った方がいいと思う。

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