2024年3月24日日曜日

シネマレビュー 「落下の解剖学」

 これ、フランス映画だったのですね。

 フランスの山奥に住む両親が作家の家族。ある日、夫が謎の転落死を遂げるのだが、妻に殺人の容疑が掛けられ裁判沙汰になる。突然夫を失ったショックがあるのに、裁判に巻き込まれていく妻。そして、同じように巻き込まれていく、純真無垢な子ども。ただそれだけのストーリーなのだが、描かれ方が実にリアルのため、裁判というものはここまで冷静に事実のみを積み上げる必要があるものなのかと思わされたし、強いメンタルが無いと立ち向かえないものだと思わされた。

 特に、主人公の子どもが巻き込まれていく様に、それを強く感じさせられた。この子は視覚障害者という設定だったのだが、その設定がよりイノセントさを出してて、ちょっとズルいがうまい描写だなと思った。

 映画の最後には裁判の結果が言い渡されるのだが、それはあくまでも裁判による判決であり、必ずしも真実とは限らない。真実については全く映画で描かれてなく、それもまた何かしらのメッセージなのかも知れない。

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