かつて、日本プロ野球界は「人気のセ、実力のパ」と言われていた。これは巨人が大きくマスコミに取り上げられるため、知名度がアップするのと同時に人気も上がるのに対して、パ・リーグの各チームはオールスターと日本シリーズぐらいしか全国放送が無く、その時は普段以上に気を入れプレイするためパ・リーグのチームが勝利することが多かったからだ。(オールスターの通算成績はパの73勝63敗8分)
ところが、90年代後半になると、FAやドラフト逆指名の弊害もあって、人気・実力ともにセが上回るようになる。オースルターでは1997年から引き分けを挟みセ・リーグが8連勝を記録。日本シリーズでも1997年から5年間で4回もセ・リーグが制覇した。
そして今シーズン。日本シリーズでは千葉ロッテが阪神に圧倒的な力の差を見せつけ4タテを食らわした。いや、今シーズンだけではなく、昨シーズンに続いて、2年連続でセ・リーグはパ・リーグ2位のチームに敗れ去ったのだ。これは、完全に力関係が逆転したと言えよう。
また、人気面でも、セ・リーグは巨人戦の視聴率低迷は言うに及ばず、在京チームを中心に観客動員の減少が深刻だ。一方で、パ・リーグ各球団は地域密着が定着し、特にソフトバンク、日本ハム、楽天は各地域で大きな盛り上がりを見せる。
つまり、今や人気も実力もパだと断言してもいいだろう。
ちょっと話はそれるが、現行プレーオフ制度がある限り、日本シリーズはパ・リーグチームが圧倒的に有利だという論調がある。というのも、シリーズ直前に短期決戦真剣勝負を経験することにより、短期決戦の戦い方を知ることができ、かつ、勢いを持ったままシリーズに突入できるからというのがその理由とのことだ。しかし、本当にそうだろうか?
かつて、パ・リーグは前後期制を取っており、その時もプレーオフはあった。しかし、その制度が採用されていた1973年から1982年の日本シリーズの成績は5勝5敗と全くの互角。とても有利に働いているとは思えない。
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