2006年7月14日金曜日

CDレビュー 宇多田ヒカル「ULTRA BLUE」

 700万枚を軽く超えるセールスをたたき出し、今もなお歴代セールスの1位に君臨するアルバム「First Love」が発売されたのが1999年。その宇多田ヒカルが4thアルバム「ULTRA BLUE」をリリースした。

 「First Love」以降も、日本の音楽シーンのトップを走り続けてきた彼女だが、ここのところセールスが奮っていない。特にシングルでは初登場1位はもはや指定席ではなくなってしまった。これには、何らかの変化があったのかと思い、じっくりとこのアルバムを聴いてみることにした。

 そこで、感じたのが声の変化だ。デビュー当時は、R&Bテイストの楽曲を歌っていたこともあり、クールでちょっぴり寂しげな感じさえする声が、とても魅力的だった。ところが、元来の彼女の明るい性格が徐々に歌に反映されてきたからなのか、ここのところの楽曲では、明るくてハッピーな感じの声に変化してきているように感じるし、これが彼女の大きな魅力であった独特の声を失わせているような気がしてならない。

 とは言え、歌い方は年々変わっていくものであり、それはボーカリストにとっては進化である。よって彼女が元の歌い方に戻ることはないだろう。それが、僕にはちょっぴり寂しく思えてしまうのである。

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