2007年11月26日月曜日

王貞治展

 本日(26日)まで名古屋の松坂屋本店(矢場町)で開催されている「王貞治展」に、先日行ってきた。会場には、現役時代のバット・各種タイトルのペナントはもちろん、WBCのユニフォームやWBC戦士達からのメッセージ等が展示されていて、野球ファンなら時間を忘れて鑑賞に没頭できる展示物が所狭しと並んでいる。

 残念ながら最終日は開催されないが、この展示会ではほぼ毎日野球解説者によるトークショーが行われており、僕が行ったときは、王監督の名文句の一つ「ピッチャー鹿取」でおなじみの鹿取元投手が来ていた。

 トークショーそのものは、進行役の方のフリがイマイチで面白味に欠けたが、最後の質疑のコーナーで、かなり興味深いコメントがあった。

 一つ目の質問は、鹿取氏が現役時代に得意・苦手としていた選手に関する質問。鹿取氏は特に得意・苦手な選手や球場は無かったと言い切る。というのも、ルーキーの時にキャンプで対戦した王選手の威圧感があまりにも凄すぎて、その印象が強烈だったため、他の選手に対しては平気で投げられたとのこと。王貞治展で語るのに、とても相応しいエピソードだ。強打者が味方にいると、そんな効果もあるものなのですね。

 二つ目の質問は、鹿取氏が現役時代に悔しかった思い出に関するもの。一番悔しかったのは1992年の日本シリーズ第1戦で杉浦に打たれた、代打満塁サヨナラホームランだったという。このシーンは僕もテレビで観ていたので鮮明に覚えているが、あのシーンが鹿取氏にとって最も悔しかったシーンだったのかと思うと、何だか感慨深い。鹿取氏にとっては最も悔しいシーンだったのだが、逆に杉浦氏にとっては、現役引退を決意していたはずが一転して現役続行を決意させた一発になったのも興味深い。あのシーンは二人の野球人にとって非常に大きな意味を持つシーンだったということか。ちなみに二番目に悔しかったのは1997年の自身の引退試合で村松に打たれたスリーベースだったとのこと。佐々岡のように打たれて清々しくやめていく選手も居る中、引退試合で打たれて悔しいと思えるなんて、引退間際まで精神的には現役選手の闘争心を持ち続けていたということか。肉体が許せば、まだまだ現役を続けることができたのかも知れない。

0 件のコメント:

コメントを投稿