2011年5月14日土曜日

ボランティア少年

 GWに帰省した時の話。家の周りのドブ掃除を手伝うことになった。

 実家は周りより少し高くなっているので、その分、ドブが深い。草取りをしようとドブにはいると、肩ぐらいまではスッポリ入ってしまうほどの深さなので、それなりの重労働だし、衣服もかなり汚れる。

 それでもやらなければいけないので、いざ始めると、たまたまそこを通りがかった小学校高学年ぐらいと思しき少年が話しかけてくる。

 「何してるの?」

 「ドブ掃除だよ。」と返す僕。

 「ふーん。じゃ、手伝ってあげる。」

 え?状況を読み込めず、反応に困っているうちに、その少年はあっという間にドブに入ってきて、小柄な身を活かして、取りにくい場所に生えている草をむしり出す。

 「あらあら、お洋服が汚れちゃうわよ。」一緒に掃除していた母が、その行動に驚きつつ、少年に話しかける。

 「いいよいいよ。洗えばいいんだから。」大人ではなかなか言えない台詞を、少年はサラっと返す。

 こんな軽快なやり取りをしつつ、ドブ掃除は予想していたよりも早く終了。家の前を流れている川で、昔はザリガニが取れた話とか、そんな他愛もない話ができたのも、楽しかった。

 お礼にお菓子かジュースでもあげようかと思っていたら、少年はそれを待たずに颯爽と帰って行った。

 「僕、偉いね。」母がその少年を誉めると、

 「これぐらい、当たり前のことだと思うけどね。」と少年。頭が下がる。

 とってもすがすがしい気分になれた、そんな休みの午前だった。

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