2019年8月19日月曜日

ブックレビュー 阿川佐和子 大塚宣夫「看る力」

 旧友から、励まされる本だということで勧められたこの本。そんな本なら読まないのは損だと思い、早速購入。

  なるほど。これまでの自分の行動が肯定され「それで良かったんだ」と励まされる内容もあれば、逆に「これはダメなんだ」と気付くことにより今後の自分の行動を改めなければと思わされる内容もあった。そういう意味では本当に勉強になったし、「何故そんなことまで分かってるの?」と驚かされる内容も幾つもあった。その点では、まるで魔法のような本だとも思った。

 その中で、一番心に刺さったのは、家族の気持ちは状況によって揺れ動くのが当然であると書いてあった箇所。自分自身、両親との距離感については常に迷っていて、もっと面倒を看なくてはとか、もっと近くに居てあげないと、と思うときもあれば、自分にだって自分の生活があるのだから、そこまで時間を割くことはできないと思う瞬間もある。その距離感と言うか、対応スタンスを決め切れていないことが、この10年ぐらいの一番の反省点と言うか負い目みたいなものとして感じていたのだが、状況によって気持ちが揺れ動くのは当然であると書いてあったのは、今の自分の状態が、別に悪いことではないのだと言ってくれているようで、心のつっかえが取れたような気がした。

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