2020年11月19日木曜日

セイバーメトリクス2020 投手編

  レギュラーシーズン終了後の恒例、セイバーメトリクス企画。打者編に続いては投手編。例年通り30イニングス以上をランキング対象とする。

 まずは、投手板セイバーメトリクスの代名詞とも言えるWHIP。1イニングあたりに許したランナーの数を表したものであり、1.2未満で及第点。1.0未満なら超一流。

   1.大野雄0.87 2.森脇0.92 3.三嶋0.92 4.R・マルティネス0.93 5.二木0.94 6.菅野0.94 7.高梨(G)0.96 8.中川(G)0.97 9.秋山0.97 10.祖父江0.97 11.山本(B)0.99 12.嘉弥真1.00 13.西勇1.00 14.牧田1.02 15.唐川1.02 16.岸1.02 17.福谷1.03 18.フランスア1.04 19.鍵谷1.04 20.スアレス(T)1.05

 リリーフ投手の方がいい数字を残す傾向にあるこの指標において、両リーグトップの数字を残した大野雄は凄い。さすが沢村賞最有力と言われるだけのことはある。2位は森脇と言う意外な名前。来シーズンはもっと重要な場面での登板が増えるかも知れない。ドラゴンズは先発の福谷、リリーフは祖父江、R・マルティネスがトップ20に入っていて、今シーズンのAクラス入りに貢献したと言えるだろう。先発投手としてはパ・リーグトップの二木の存在も気になる。

 続いて、今シーズンから紹介するFIP。インプレーの打球がヒットになるかアウトになるかは運次第と割り切り、完全に投手の責任と言える、被本塁打、与四死球、奪三振のみを元に指標化したもの。MLBでは紹介されることが多くなってきている。防御率と同じ感覚で見ることができるよう補正されているので、2.50未満ならエース級。

  1.モイネロ1.56 2.石山1.71 3.石田1.90 4.三嶋2.09 5.今永2.14 6.R・マルティネス2.15 7.益田2.26 8.山本(B)2.26 9.嘉弥真2.36 10.祖父江2.41 11.高橋(T)2.46 12.千賀2.50 13.菅野2.52 14.森下2.52 15.エスコバー2.53 16.ハーマン2.57 17.スアレス(T)2.57 18.平良(DB)2.57 19.伊勢2.58 20.山田2.59

 両リーグトップはモイネロ。以降、チームを代表するリリーバーが続き、先発投手としてのトップは今永。フルシーズン投げられていればチームはAクラス入りできたかも。気になるのはタイガースの高橋。毎年、セイバーメトリクスの指標はいいのだが、どうにも勝ち運に恵まれていない印象。来シーズンこそブレイクするか。

 最後はK/BB。見たままの計算式で算出され、MLBでは重要視されている指標。

 1.二木6.58 2.大野雄6.43 3.福谷5.54 4.秋山5.33 5.石山5.27 6.菅野5.24 7.祖父江5.00 8.高橋(T)4.41 9.増田4.20 10.西勇4.11 11.R・マルティネス4.08 12.ムーア4.05 13.山本(B)4.03 14.バーヘイゲン3.97 15.森下3.88 16.平良(DB)3.82 17.今永3.71 18.フランスア3.65 19.清水(S)3.63 20.三嶋3.54

 この指標も例年ならリリーフ投手が上位に並ぶのだが、今年は上位4選手が先発投手と言う異例の状況。中でも両リーグトップは二木という意外な名前。WHIPでもトップクラスの数字を残していて、来シーズンはエース級の活躍が期待できるかも。

 昨シーズンのランキングはこちら。
 「セイバーメトリクス2019 投手編

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