2010年10月22日金曜日

スリーアローズ1年目を振り返る

 三重スリーアローズの1年目が終わった。ここでは、各選手にスポットを当てて、この1年を振り返ってみたい。

洪成溶 29試合 12勝5敗1S 2.22
 説明不要の絶対的エース。重ねた12勝は、チームの勝ち星の55%。もちろんダントツでリーグ最多勝。マウンドでの存在感もバツグンで、もはや独立リーグでは向かうところ敵なし。NPBへ進む日も近いか。

桑島 51試合 .281 2本 9点
 不動のトップバッター。打席に入る前のバットを突き出す構えは、子供なら一度は真似したくなるだろう。少し化ければ西武の片岡クラスになりそうな潜在能力はある。この選手もNPB入りを期待したい。

美濃 53試合 .267 0本 38点
 開幕4番も、直後の大スランプで打率は1割台に低迷。それでも何とか持ち直し、最終的には打点王に輝いたのだから、さすがは主砲である。ただ、ホームランを一本も打てなかったのは物足りない。

大島 29試合 3勝5敗5S 3.54
 サブマリンストッパー。長打を浴びるシーンも目立ったが、芸術的な遅いボールで打者を翻弄するシーンの方が印象深い。安定感が増せば、NPB入りも夢ではない。

末永 11試合 2勝4敗0S 2.00
 途中入団(6月17日)の末永は、チームで唯一のNPB経験者。勝ち星には恵まれなかったが、安定したピッチングでローテーションを支えた。

治下 33試合 .250 2本 17点
 こちらも途中入団(6月1日入団)の長距離砲。本数のレベルは低いが、それでも一応リーグのホームラン王である。この選手が入ったことで打線に軸ができた。

宮田 54試合 .317 0本 10点
 俊足が武器の遊撃手は、チーム唯一の3割バッターでリーグの首位打者。雑な守備を見せたかと思うと、驚くようなファインプレーも飛び出す意外性。堅実な守備力を身に付けることが課題か。打順が定まらなかったのも負担になっていたかも。

奥脇 54試合 .268 1本 22点
 目立たずとも、宮田と並んで、チームで二人しか達成していない全試合出場を果たした。1年間通して波が少なく、計算できる選手。ただ、惜しくも今シーズン限りで退団。

川咲 51試合 .204 1本 15点
 恐らく、ファンからの最も大きな期待を背負って開幕を迎えた選手。開幕3番を勝ち取るとシュアなバッティングでシーズン序盤を引っ張るも、夏ごろから大不振に突入。苦しんだ一年だった。シーズン終盤には復調気味だったので、来季に期待。

北村 34試合 .240 0本 5点
 途中入団(6月3日入団)。この選手が2番センターに定着してから、スリーアローズの快進撃は始まった。つなぎ役として今シーズンの陰のMVPと言っても過言ではない。

前田 47試合 .248 0本 6点
 初代キャプテンとしてチームを支えるも、成績は振るわず。まずはレギュラーを取り戻したいところ。

野田 42試合 .263 0本 7点
 開幕スタメンは北園に譲るも、徐々に打撃が上向きになり、後半戦は完全にレギュラー。西武の細川のようなバント打法が印象的。

石原 16試合 2勝3敗0S 4.58
 右のエースとして開幕第2戦の先発を任せられるも、1回2/3で6失点という大炎上。それからすると、よく立ち直った。来季こそ、右のエースの称号を確実なものにしたいところ。

二口 48試合 .171 1本 9点
 勝負強い打撃を見せたこともあったが、全体的には低調な成績に終わってしまった。個人的には一番期待していた選手なだけに、残念。

倉崎 29試合 3勝5敗5S 3.54
 先発にリリーフにチームを支えた右腕は、終わってみれば、チームNo.2の投球回数。優勝決定試合での17球は感動的だった。

計倉 26試合 .176 0本 3点
 力自慢の代打の切り札は、シーズン後半で特に威力を発揮した。来季はポジションを奪い取りたい。

奥本 34試合 .178 0本 4点
 内野のユーティリティプレイヤー。桑島のケガ、川咲の不振など、数々のピンチをリザーブプレイヤーとして支え、チームに不可欠な存在だったが、残念ながら今シーズンでチームを去る。

村上 11試合 1勝2敗0S 3.86
 チーム最年少の変則右腕。開幕直後は頼りないピッチングだったが、シーズン最終戦で見せた投球は、球威があり頼もしかった。若いだけに一年で随分と成長するものだ。来季は先発の柱として期待。

北園 46試合 .220 0本 7点
 開幕スタメン捕手も、徐々に野田に出番を奪われた。来季、取り返すことができるか。

石田 41試合 .200 1本 3点
 堅実な外野守備で、主に試合終盤からの登場が多かったが、実はチーム第一号のホームランを放った石田。パンチ力もある。

紙井 7試合 0勝1敗0S 2.19
 途中加入(6月6日入団)も目立った戦力になれずに一年が終わってしまった。優勝決定試合で先発したのが、唯一の見せ場だったか。

河田 10試合 1勝0敗0S 8.18
 この選手も途中加入(5月20日入団)。目立った活躍もなく、今季でチームを去る。

近藤 21試合 .250 0本 4点
 僕が三重を離れる間際に入団(6月24日)した選手なので、あまり印象に残っていないこの選手。来季は活躍できるか。

奥出 9試合 0勝1敗0S 5.73
 登板機会が少なかった右腕。26歳と独立リーガーとしてはベテランの域に達してきているので、正念場だ。

この他、途中退団の選手も、成績だけご紹介。
辻西 5月4日退団 出場せず
山本晃 5月5日退団 5試合 .167 0本 0点
阿部 5月31日退団 10試合 .100 0本 2点
山本祥 6月10日退団 出場せず
西村 6月23日退団 1試合 0勝0敗0S 0.00
横井 7月11日退団 13試合 .063 0本 0点

 そして、もちろん、初代監督の松岡監督、そして初代コーチの藤波コーチ、前原コーチも忘れてはいけない。(松岡監督は8月6日に退団。)

 来季はどのような布陣で戦うのか、そもそもちゃんとしたリーグ戦が行えるのか、まだまだ不確定要素は多いが、こんなに素晴らしい選手がそろっているチームなのだから、来年も躍動する姿をみたいものだ。

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