今年のドラフト会議では目玉だった斎藤は日ハムが、大石は西武が交渉権を獲得した。日ハムは近年は中田を、西武は昨年雄星をと、大物ルーキーを引き当てており、くじ運の良さを感じさせる。
しかし、歴史を紐解くと、実は西武は雄星以前は連敗続きで、抽選による交渉権の獲得は松坂以来。更に、その前は1986まで遡らないと当たりクジを引いた実績は無い。日ハムも近年こそ確率は高いが、1989年に野茂で外して以降8回連続で外している。では、最もくじ運のいい球団はどこなのか。
ドラフト会議は1965年のオフにスタート。以降、何度も制度に変更が重ねられているので、必ずしも毎年抽選があったわけではないが、それでも、46年の歴史の間に、2位以下の指名や、外れ1位等の抽選も含めると、168人の選手が抽選により交渉球団が決まっている。この中にはもちろん入団拒否の選手も居るが、この168人の選手に対して、延べ452の指名があったので、交渉権獲得率の平均は.372ということになる。
それでは、現存する12球団に近鉄を加えた13球団での、通算交渉権獲得率のランキングを発表する。順に、指名回数、交渉権獲得回数、獲得率。
1位 楽天 9-5 .556
2位 ロッテ 33-16 .485
3位 西武 31-14 .452
4位 ヤクルト 49-21 .429
5位 巨人 31-13 .419
6位 横浜 35-13 .371
7位 広島 39-14 .359
8位 近鉄 35-12 .343
9位 ソフトバンク 41-14 .341
9位 日本ハム 41-14 .341
11位 阪神 36-11 .306
12位 中日 33-10 .303
13位 オリックス 39-11 .282
サンプル数が少ないとは言え、何と楽天がクジ運No.1。チーム創設直後から片山、田中といった、現在の主力選手を抽選で獲得している。
90年代、くじ運が良いという定評があったヤクルトは4位。最近では由規の獲得が記憶に新しい。抽選に挑んだ回数も圧倒的に多く、それで高い獲得率を残しているのだから、本当にくじ運の強い球団だ。
セ・リーグの伝統球団である阪神と中日は11位、12位と下位に低迷。特に阪神はここ20年で当たりくじは1回のみ。しかもそれは外れ1位なので、1位指名に限ると、1984年の嶋田章弘以降、当たりクジ無し。このチームは競合覚悟での指名は避けた方が良さそうだ。
今年ロッテを率いて日本一になった西村監督も抽選により球団が決まった選手の一人。ヤクルトと当時の南海が競合したのだが、他のチームが交渉権獲得していたら、どうなっていたのだろうかと想像すると面白い。
ちなみに、46年のドラフトの歴史で、外れ外れ1位が抽選になったのは今年が初めて。一時期、外れ1位をウェーバーで指名していた時期もあったが、それを差し引いても、外れ外れ1位のクジを外したオリックスは、災難としか言いようがないが、そんな事態を暗示しているかのように、ランキングでも最下位。このチームは本当に運が無い。
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