2010年11月14日日曜日

CDレビュー いきものがかり「いきものばかり」

 いきものがかりがデビュー5年目にして初のベストアルバムをリリースした。デビュー以来、コンスタントなリリースを続けているだけあって、31曲もが収録された豪華2枚組。しかもメンバーズセレクションということで、シングル曲でありながら漏れている楽曲が多い一方で、カップリングの曲のように一般ファンには馴染みが薄い曲も多く収録されているのが特徴だ。

 とにかくまずは聴いてもらいたい。2枚連続で一気に聴いてもらいたい。いきものがかりの得意分野がいかに幅広いかがよく分かるだろう。

 M2-1「気まぐれロマンティック」、M2-2「ブルーバード」、M2-3「じょいふる」と連続で続くノリノリアゲアゲチューン。

 M1-9「タユムコトナキナガレノナカデ」、M1-13「月とあたしと冷蔵庫」、M1-15「コイスルオトメ」のようなじっくり聞かせるバラード。

 M1-3「青春ライン」、M1-10「今走り出せば」、M2-14「残り風」のような、疾走感溢れるドライブミュージック。

 M1-5「KIRA★KIRA★TRAIN」、M1-14「ホットミルク」、M2-8「Happy Smile Again」のような、とっても心地よいミディアムチューン。

 M2-11「くちづけ」のような歌謡ロック。

 これだけバラエティに富んでいながら、どれもがいきものがかりらしいと言えるところこそが、いきものがかりの最大の特長。とにかく聴き応えがある。

 冒頭に一般ファンには馴染みが薄い曲も収録されていると書いたが、初めて聴いた曲であっても、不思議と懐かしさを覚えてしまうのも、このアルバムの凄さ。これは他のミュージシャンでは味わえない感覚だと思う。

 もちろん、衝撃のデビュー曲「SAKURA」、再ブレイクのきっかけとなった「茜色の約束」、ヒットチャート上位常連ミュージシャンに成長させた「帰りたくなったよ」、国民的バンドとなった「YELL」、更なる大ブレイクを果たした「ありがとう」といった、代表曲もしっかりと収録。

 代表曲から隠れた名曲まで、いきものがかりの魅力を余すところなく、全て出し尽くしている今回のベストアルバム。新たな国民的バンドの誕生を印象付けるこのアルバムは、必ず手にしておきたい一枚だ。

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