2024年5月1日水曜日

小沢健二 Monochromatique@名古屋国際会議場センチュリーホール

 存在を知った90年代の前半。あまり好きなミュージシャンではなかった。むしろ、ちょっと嫌いな部類。その音楽というよりは、お洒落ぶってキザっぽい感じがするのが、あまり好きになれなかった。

 ところが、時間が経つにつれ、特にこれといったキッカケがあったわけでもないのだが、徐々にその音楽そのものに惹かれていき、2017年に本格的に音楽活動を再開した時には、すっかりファンになっていた。

 そんな小沢健二のライブがあるということで、初参加。あまり見たことのない独特な世界観のライブだった。

 まず驚いたのが、笛を配られたこと。一斉に光るリストバンドは今やライブの定番アイテムになっているが、笛は見たことがない。決められた曲では、これを吹くということだったが、かなり多くの曲で登場することになる。

 進行は、時折テレビ出演するときに発表する、独特な切り口で、日常生活を面白おかしく、でも鋭く切り取って描いたポエムを読み上げながら進む。その中で、「構造」の話があった。曰く、色を無くして、モノクロで物事を見たとき、構造が見えてくると。例えば、食事から「メニュー」という色を無くしてモノクロにすると、「1日3食」という構造が見えてくるとのこと。

 そして、この日のライブ。舞台照明は少な目で、それでもサポートメンバーに当たることはあっても、小沢健二本人に照明が当たることはほとんどなく、多分、まともに顔が見えたのは、本編とアンコールの、それぞれ最後の曲のときだけ。頻度は少ないとはいえ、普通にテレビに出ている人なので、顔出しNGということでもないし、これはつまり、ライブから「歌手の顔」という色を無くすことにより、構造を見せようとしたのだろう。ただ、その答えは分からなかった。でも、このようにライブ全体で趣向を凝らしてくれるのは、面白いですね。

 セットリストは再開後に発表した楽曲がメインということもあり、耳馴染みのあまり無い曲が多かったが、ノリが自分好みなので、すごく楽しめた。また来たいし、次はちゃんとアルバムを聴き込んでから来よう。

 (セットリストは後日追記予定)

0 件のコメント:

コメントを投稿