2011年4月4日月曜日

シネマレビュー 「英国王のスピーチ」

 今年度アカデミー受賞作品「英国王のスピーチ」は、イギリスの王ジョージ6世を描いたノンフィクション映画である。

 幼い頃から吃音に悩まされるジョージ6世。王の次男として誕生するが、兄が王位を捨てたため自分が王の座に就かなければならない。当然、王となれば、その言葉で国民を牽引していかなければならない。しかし、吃音に悩まされているがため、人前のスピーチはもちろん、放送を通じてのスピーチもままならない。そこに現れるのは、専門の医療知識を持たないものの、スピーチ矯正の専門家として知られていたライオネルという男。その型破りな治療法で、果たしてジョージ6世は、国民に向けてメッセージを発することができるのか。

 時代は第2次世界大戦突入直前の荒波の中。そんな混乱の時代で一国をリードした王と、国を牽引する言葉を引き出した一人のスピーチ矯正専門家。映画そのものとしては、ちょっと安っぽいドラマにも感じたが、これがノンフィクション、しかも一国の王を描いたノンフィクションであることを考えると、凄まじくドラマティックな作品だ。

0 件のコメント:

コメントを投稿