2019年3月21日木曜日

平均的な選手にとってFAは立ちはだかる壁なのか

 現役選手どころか歴代の選手でも、史上ナンバーワンの選手との呼び声も高いエンゼルスのマイク・トラウト選手が、北米プロスポーツ史上最高額で延長契約を結んだ。ニュース記事はこちら。

 「エンゼルス トラウトと12年4億3000万ドルで契約延長へ」(後日追記:過去ニュース記事のためリンク切れ)

 記事に書いてある通り、2020年シーズン終了後のFAの超目玉と言われていたが、市場に出ることはなく、契約にトレード拒否条項も含まれているようなので、事実上、生涯エンゼルスで現役を全うする。

 ストーブリーグをまともに注目するようになったのは、今オフが初めてなのだが、超一流選手がFA前に所属球団と大型の延長契約するケースが意外と多いことに気付かされた。今オフだけでも、以下の超一流選手が延長契約を結んでいる。

 ノーラン・アレナド
 アーロン・ヒックス
 ホセ・マルティネス
 ルイス・セベリーノ
 アーロン・ノラ
 マイク・トラウト
 アレックス・ブレグマン

 超一流選手がFAとなり、超大型契約で移籍するのがMLBだと思っていたのだが、どうやらそうではなくて、本当の超一流選手はFA市場に出ないようである。

 もちろん、そうではなくFAになる超一流も居て、今オフだとマニー・マチャドとブライス・ハーパーがその代表格。ただ、ごく一部の超一流以外は、FA市場に出ても現実は厳しくて、単年であったり良くても2年契約程度しか勝ち取れないケースがほとんど。それも、バリバリのレギュラークラスならメジャー契約を勝ち取れるが、普通の選手、例えるなら巨人の亀井レベルの選手だと、マイナー契約から這い上がることを強いられるケースが多い。これにも驚いた。やっぱりメジャーって厳しい。このレベルの選手からすると、FAはむしろ要らない制度なのかも知れない。

 ということで、今オフ、FAになりながら、マイナー契約となった主な選手をご紹介。(成績は昨シーズンのもの)

カルロス・ゴンザレス 132試合 .276 16本 64打点
ホセ・イグレシアス 125試合 .269 5本 48打点
マット・ウィータース 76試合 .238 8本 30打点
デレク・ディートリック 149試合 .265 16本 45打点
ヤンガービス・ソラーテ 122試合 .226 17本 54打点
ジェラルド・パーラ 142試合 .284 6本 53打点
カーティス・グランダーソン 123試合 .242 13本 38打点
アルシデス・エスコバー 140試合 .231 4本 34打点
ゴーキス・ヘルナンデス 142試合 .234 15本 40打点
ルーカス・デューダ 107試合 .241 14本 50打点
キャメロン・メイビン 129試合 .249 4本 28打点
カルロス・ゴメス 118試合 .208 9本 32打点
メルキー・カブレラ 78試合 .280 6本 39打点
ローガン・フォーサイス 120試合 .232 2本 27打点
ニック・ハンドリー 96試合 .241 10本 31打点 ※日本開幕戦でロースター入り
マーク・レイノルズ 86試合 .248 13本 40打点
デビン・メソラコ 84試合 .221 11本 33打点
アデイニー・ヘチャバリア 94試合 .247 6本 31打点
ジオ・ゴンザレス 32試合 10勝11敗 4.21
アービン・サンタナ 5試合 0勝1敗 8.03 ※通算149勝

 FAにならなければ、今シーズンも普通にロースターに登録されていたのではと思わせる選手も少なくないという印象。

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