2019年3月4日月曜日

シネマレビュー 「グリーンブック」

 毎年恒例のアカデミー受賞作鑑賞。最近は年に1本、これしか映画観てない気もするな。

 今年度受賞作品の「グリーンブック」はノンフィクション。舞台は1962年のアメリカ。黒人の天才ピアニスト、シャーリーが2ヶ月間アメリカ南部を回るコンサートツアーを行うということで、その運転手として雇われたのが主人公のトニー・バレロンガ。

 60年代のアメリカという時代背景もあり、最初は心の距離がある二人だが、ツアーが南下するにつれ、黒人であるがゆえにトラブルに巻き込まれていくシャーリーと、そのトラブルを下町育ちが故の方法で解決していくトニー。次第に心の距離は縮まり、そしてツアー最終の地アラバマへ。ここでもトラブルが発生するが、シャーリーはトニーのことを信頼しているからこそ言える言葉を発する。そして、それに対してその真意を読み取り、心で返すトニー。心が揺さぶられるシーンだった。

 一応、人並み以上に、この頃のアメリカ文化は理解しているつもりだし、南下するにつれ出てくる都市名はもちろん、その都市の空気感も何となく分かるし、そもそもこの時代から約20年後の80年代アメリカ南部を肌で感じていることもあって、物語の背景が理解しやすく、話がすっと入ってきたということもあるが、それを差し引いても、とても見応えのあるヒューマンドラマだった。

 あ、そうそう。途中のシーンで出てきたケンタッキーフライドチキンだが、あれは場所的に、おそらく第一号店をモチーフにしていると思う。

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