2010.03.22 三重スリーアローズ×福井ミラクルエレファンツ @安濃球場(オープン戦)
FME 000 000 320│5
MTA 200 003 000│5
(規定により引き分け)
ついに三重に発足した独立リーグ球団。開幕を2週間後に控えたこの日、チームとして初めて独立リーグ球団との対外試合が行われるとのことで、観戦に行ってきた。
こんな感じでほのぼのとした試合風景。やはり野球は野外に限る。
全体的にはプロの2軍よりは少し下のレベルか。それでも、打席に入る時には登場曲が流れたり、応援団が組織されていて鳴り物での応援があったりと、ハード面はいっちょまえのプロである。
これが応援団。なぜかヒッティングマーチは阪神仕様。東海地方の球団なので中日仕様の方がいい気がするが。
対戦相手の福井ミラクルエレファンツはチームとしては2年先輩。ならばレベルもかなり上だろうと思って試合を観ていたら、なかなかどうして、守備や走塁面など全体的には三重の方が上。特に内野守備は顕著で、三重の三遊間はNPBでも充分に通用するレベルだった。一方、外野守備は福井の方が上。特に後ろへの打球の反応は全然違った。これは、長打力のある打者との対戦経験の差か。試合経験という意味でもう一つ気付いたのは、ここ一番での集中力。福井の選手は特にチャンスの場面では甘いボールを見逃さず確実にとらえていた。この集中力は間違いなくプロのそれ。逆に三重の打者はここ一番で、ストライクを見逃してしまう甘さが目立つ。
さて、参考までに三重のスタメンをご紹介。
1遊 宮田
2二 桑島
3三 川咲
4一 美濃
5左 奥脇
6指 二口
7右 前田
8捕 北園
9中 山本晃
先発 村上
打者で目立ったのは3番の川咲。しぶとくファールで粘って、あまいボールを確実にミートしていくバッティングは、巨人の松本を彷彿させるものだった。化ければソフトバンクの川崎のようになるかも。
先発の村上は右の変則サイドハンド。右打者は打ちにくそうにしていたが、逆に左には簡単に合わせられていた。
4回から二番手に登場は、エースの洪成溶。
見たとおりサウスポーなのだが、左打者へのアウトローへのコントロールは一球品。真っ直ぐも変化球も見事に決まっていた。しかし時折高めに浮くボールが課題。これをことごとく長打にされ、点を失った。快速球というよりも球が重い剛速球タイプのようだし、おそらく高めの球で空振りを取れるタイプでは無さそう。なので、もっとコントロールを安定させなければ今後苦しい。逆に磨けば、充分にNPBでも通用しそう。
8回から三番手投手として右の倉崎が登場。そんなに悪くなかったが、いきなり打たれた一塁線を破るスリーベースを足がかりに2点取られたのは、少し不運だった。
9回は右のサブマリン大島。比べる相手が悪いかも知れないが、渡辺俊に比べると、下半身の粘りが全くないし、完全に手投げの印象。福井打線が打ちあぐねていたところを見ると、慣れられるまでは抑えられるかも知れないが、更なるレベルアップが求められる投手だろう。
もう一つ、全体的に気付いたのは、ボールをかなり汚れた状態になるまで使い続けているということ。資金面からも仕方ないことだし、NPBと比べてはいけないのだろうが、随分と汚れているせいもあって、少しボールが見難いときもあった。この見難さによりバッティング時は投球の軌道が見難くなり、そして守備時は捕球が難しくなりそうだ。そんな野手不利な環境だからこそ、独立リーグで活躍できる野手はそのままNPBでも力を発揮できそうだし、逆に投手は独立リーグでの成績はアテにならないということかも知れない。
気になったのでちょっと調べてみた。以下、独立リーグ出身で、NPBで一軍の試合出場経験のある選手をリストアップ。
野手:中谷(C)、角中(M)、三輪(S)、丈武(E)、内村(E)、野原祐(T)
投手:西山(H)、伊藤(S)、西川(Bs)、金無英(H)
なるほど。まだまだ人数は少ないが、圧倒的に野手の方が一軍での実績は上。NPBの二軍でも、特に野手の実戦経験不足が問題視されている現状を考えると、年間300前後の打席を経験できる独立リーグは野手の成長に大きく貢献する場なのかも。
最後に、これまた参考に福井のスタメンもご紹介。
1一 北田
2二 山本
3右 坂元
4三 小西
5遊 内田
6中 錦織
7捕 織田
8指 松下
9左 原田
先発 藤井(元ロッテ)
なお、福井の監督は阪神で70年代前半に二塁手として活躍した野田征稔氏。
真ん中が野田監督。意外な人が独立リーグで指導者として活躍しているので、その点も注目したい。
長くなってしまったが、ともかく新たに発足した三重スリーアローズ。徒歩圏内の球場を本拠地としてくれるわけだし、行ける限り応援に行きたいと思う。