2010年3月22日月曜日

CDレビュー 川本真琴「音楽の世界にようこそ」

 実に9年ぶりのリリースとなった川本真琴の3rdアルバム。それが「音楽の世界にようこそ」だ。

 デビュー当時の彼女は歌詞を独特の早口のリズムで曲に押し込めて歌い上げるスタイルが特徴的だったし、僕自身もその音楽性が好きで彼女のファンになっていった。ところが、1stアルバム後は壮大なバラードを多く手懸けるようになり、いい意味での彼女の特徴を殺している印象を受けていた。

 そして今回の3rd。M2「何処にある?」は初期の彼女を思い起こさせるようなナンバーに仕上がっていて、かつてのファンとしてはとても嬉しいのだが、全体的には2ndアルバム以降の路線を残しつつ、更に新たな一歩を踏み出し始めているという印象。独特の声と歌詞の世界観は健在だが、良くも悪くもどこにでも居そうなJ-POPミュージシャンのサウンドになっていて、どことなく物足りなさも感じてしまった。

 とは言え、何といっても9年ぶりの新作である。新しい川本真琴の世界感にもっと触れてみたいし、そのためにも何度も聴きこんでいきたいアルバムだと思っている。

0 件のコメント:

コメントを投稿