CHEMISTRYが三重県にやってくるということで、是非とも聴いてみたいと思い、ライブに参加してきたのだが、結果的には先日のいきものがかりとは対象的に、近頃勢いを失いつつあるミュージシャンの苦悩ぶりを実感させられるライブとなってしまった。詳しくは後述。
まず驚いたのはファン層の偏り。ほとんどが女性。しかも年齢層も高め。おそらくほとんどが30代以上。事前にツアーのサイトを確認した時に、ツアーグッズとして、リップクリームケースとか、キャミソールとか、髪飾りとか、どう解釈しても男性向けではなさそうなものが並んでいたため、嫌な予感はあったのだが、現実を見せ付けられ、少しテンションが下がる。
ところが、席に着いてみると、これがPA席の真後ろ。ミキサーとかが丸見え。これにはテンションが上がった。隣の席の人は、PA席のせいでステージが見難く、スタッフにクレームをつけていたが、PA席の真後ろってことは、音が最も良い場所ってことですよ。こんな特等席は普通は来れないのに、文句をつける理由が分からん。
PA席は3人で構成。1人が音響で2人が照明だった。
音響で驚いたのは、意外と頻繁にフェーダー操作をしているってこと。曲の途中でも微調整をしていた。一方でEQをいじっている様子は全くなし。このあたりはリハーサルの段階で、しっかりと調整しているのだろう。
照明でも驚きがあった。どうやら全ての照明パターンがプログラムされていて、ボタンを押すことによって、次のパターンに移るようにセットされている模様。このため、本番中は細かい操作はなく、タイミングを見計らってボタンを押しているだけだった。こんなに自動化されているとは想像もしていなかったので、大変驚かされた。
あれ?なんだっけ?あ、そうそう。CHEMISTRYのライブでした。
では、この辺でセットリストを。
M01.Go Alone
M02.夜明け
M03.Life goes on~side K~
M04.Our Story
M05.Crossing
M06.Once Again
M07.キスからはじめよう
M08.Trico…
M09.Grind For Me
M10.Heaven Can Wait
M11.ALL MY LOVE / 堂珍嘉邦ソロ
M12.Whenever,Wherever,Whatever / Maxwellのカバー (堂珍嘉邦ソロ)
M13.I'll steal your heart / 川畑要ソロ
M14.O / Omarionのカバー (川畑要ソロ)
M15.Period
M16.Here I am
M17.FLOATIN'
M18.SUPERSTAR
~アンコール~
EN1.あの日…
EN2.Brandnew Season
アルバムを引っ提げてのツアーということで、新しい曲ばかりのセットリスト。ヒットシングルを連発していた時代の曲はほぼ皆無。「regeneration」=「再建」を掲げてのツアーと言うことで、新しいCHEMISTRYの姿を打ち出そうという意図ははっきりと見えたが、反面、コアなファン以外を完全に置き去りにしている感じだった。
バラードこそ彼らの真骨頂だと思うのだが、ヒップホップダンスを取り入れたアップテンポの曲が多く、果たしてこれが本来の彼らの姿なのだろうか。デビュー10年目にして、音楽の方向性に迷っているのではないかと、ちょっと心配になるほど。
それでも、もちろん彼らのボーカリストとしての力が落ちているということではない。それぞれが洋楽ミュージシャンのカバーをソロで披露したのだが、この2曲は他のどの曲よりも印象に残ったし、歌の世界に引き込まれていった。