2006年3月20日月曜日

CDレビュー 大塚愛「LOVE COOK」

 2000年代以降、女性ボーカリストの中で、シングルセールスにおいて頭一つ飛び抜けた存在であった浜崎あゆみと宇多田ヒカルに、かつてほどの勢いがなくなってきたここ最近。その座を奪うかのような勢いがあるのが大塚愛だ。そんな彼女の3rdアルバムが昨年末にリリースされた。それが表題の「LOVE COOK」である。

 大塚愛の魅力といえば、「さくらんぼ」や「Happy Days」に代表されるノリノリのアップチューンと、「金魚花火」や「黒毛和牛上塩タン焼680円」のようなしっとりとしたバラードを、どちらも彼女の世界感で表現できるところだと思う。

 このアルバムでもシングル曲以外にも、M5「U-ボート」のようなアップチューンがあれば、M2「羽ありたまご」のような聴き応えのあるバラードが収録されており、今の彼女の勢いを感じることができる。

 また、M9「東京ミッドナイト」は、「これって東京スカパラダイスオーケストラとのコラボレーションか?」と思わせるサウンドに仕上がっており、彼女の新たな一面を伺うことができる。

 そして、極めつけはM8「ラーメン3分クッキング」。ま、どんな曲なのかはアルバムを聴いて確かめてもらいたいが、こういう遊び心いっぱいの曲が必ず入っているのも彼女のアルバムの特徴であり、ある意味彼女の幅広さと言えるだろう。というのも、こんな曲を堂々とアルバムに入れることができるミュージシャンって他になかなか居ないと思うからだ。

 いま、最も勢いのあるミュージシャンの一人である大塚愛の最新アルバム。必聴だ。

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