2018年8月8日水曜日

選手会が「現役ドラフト」を要求

 プロ野球選手会が「現役ドラフト」の実現に向けて、これを最優先課題と捉えて、今後も日本野球機構と交渉を続けていく方針であることが報じられた。ニュース記事はこちら。

 「選手会「現役ドラフト」要望、移籍で出場チャンスを」(後日追記:過去ニュース記事のためリンク切れ)

 「現役ドラフト」という言葉をこの記事で初めて見たが、要するに飼い殺し状態の選手を他球団が獲得できる制度。なるほど、思想としては素晴らしいし、ファンとしても実力のある選手がファームで燻っているより一軍でプレーを見せてくれた方が嬉しい。ただ、これって制度設計がとても難しいと思う。

 実はメジャーリーグにはこの制度がある。「ルール5ドラフト」と言われ、詳細は割愛するが、ざっくり言うと、プロ入り5年が経過した選手で、マイナー契約の選手は他球団から選手を保有している球団の合意無く指名して獲得できるというもの。但し、翌シーズンは必ずシーズンを通じて出場選手登録(25人枠)する必要があり、ケガ以外の理由(DL入り)で降格させる場合は、元の所属球団に返却しなければならない。

 ただ、これを日本にそのまま当てはめるのは難しい。メジャーと違って日本は一軍と二軍の昇格・降格に大きな制限は無いため、5年間一軍に昇格しないということは考えにくいし、居たとしてもそれは飼い殺し状態と言うよりも実力不足だろう。

 逆に飼い殺しの具体例で思い浮かべると、近年なら巨人時代の大田やオリックス時代の伊藤か。これを定義化すると、ある程度出場機会は与えられたものの環境に適応できず実力が発揮できなかったり、首脳陣との折り合いが悪く出場機会が制限されるようなケースということになり、これが日本流の「飼い殺し」と言えると思うが、これを制度と言う枠組みで定義化するのは難しい。

 思想は素晴らしいが、もう少し具体的な議論をしないと、検討は進まないと思うし、その議論を開示していかないと、世論を(ファンを)味方にできないと思う。

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