2018年8月25日土曜日

パナソニック吉川がダイヤモンドバックスとマイナー契約?

 今年のドラフト1位候補でありながら、日本球界を経ずに直接メジャー挑戦すると報じられているパナソニックの吉川投手が、既にダイヤモンドバックスとマイナー契約済と報じられた。MLBの公式サイトでも既に発表されている。

 「パナソニック、アジア大会辞退の吉川は「登録規定に抵触」 ダイヤモンドバックスと入団契約書交わす」(後日追記:過去ニュース記事のためリンク切れ)

 かなり衝撃的なニュースだが、そもそも記事によると、これは明確なルール違反。以下のルールに抵触している。

①競技者は日本プロフェッショナル野球組織が行なう選択会議の日から翌年度の都市対抗野球大会の終了の日までの期間、プロ球団と交渉することはできない
②加盟チーム競技者がプロ球団と契約を締結する場合は、その締結日以前に退部し、速やかに登録抹消届を提出しなければならない

 ルール違反なので、何らかの罰則が処されることになるのだろうが、それで済む問題なのだろうか。アマトップクラスの選手が日本球界を経ずしてメジャーに挑戦するのは田澤投手以来の2例目だが、今後も出てくる可能性があるので、いま一度在り方を考えるべきでは?

 そもそもいきなりメジャーに挑戦されてしまうと、貴重な人材の流出になってしまう。このための田澤ルールでもあると思うが、この周知徹底と罰則の厳格化により、選手の選択肢を狭め、まずは日本プロ野球に入るのが当たり前という流れを作るのもいいだろう。

 でも、野茂から始まる日本人選手のメジャー挑戦の本格化から20年あまり、WBCから始まる国際大会の本格化から10年あまり、野球は確実に国際化している。となれば、もっとメジャー挑戦しやすい環境を作っていくことも選択肢の一つではなかろうか。もちろん、NPBとしては魅力は下がるだろうが、日本人選手のレベルは上がるので、WBC等の国際大会での成績は上がるだろう。

 どちらの道を進むべきなのか。結局はプロ野球創成期から掲げられている「アメリカ野球に追い付け追い越せ」をどう具体的に解釈するのかという問題なのかも知れない。

 「NPBはMLBに追い付け追い越せ」なのか、「日本人選手はアメリカ人選手に追い付け追い越せ」なのか。前者なら人材流出をできるだけ抑えて、魅力あるリーグにしていく方向性だろうし、後者なら優秀な選手はどんどんメジャーリーグに送り込んで、個々のレベルアップを図るべきだろう。

 個人的には究極の目標は前者であって欲しいと思っているが、今の流れからすると後者なんでしょうね。であれば、希望する選手は、もっと自由に日本球界を経ずに直接メジャーに挑戦する道筋を作っていくというのも、今後の在るべき姿なのかなとも思う。

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