2010年6月7日月曜日

独立リーグ観戦記 ~徳島の絶対的ストッパー~

2010.06.06 三重スリーアローズ×徳島インディゴソックス@津球場
徳島 000 001 000│1
三重 000 000 000│0

 三重の先発はサブマリン大島。普段はリリーフの大島が、先発でどこまで通用するか注目だ。

 試合は息詰まる投手戦。最初のポイントは5回ウラの三重の攻撃にあった。この回、先頭バッターの野田がライト線へツーベースを放つ。続く奥本は当然送りバント。しかし、失敗して小フライになり、野田も飛び出しダブルプレー。バント技術が未熟なのも責めたいところだが、飛び出した野田もお粗末。流れを引き寄せかけていただけにもったいないプレーだった。

 すると、すぐさま6回の表に徳島が4番の大谷の一発で先制。でも、まだ一点差。試合は分からない。

 8回表。大島をここまで引っ張ったがそろそろ限界。松岡監督が出てきて、ピッチャー交替を告げる。告げられた主審がアナウンス室に向かって「ピッチャー、洪!」の一声。グランドと観客が近い球場なので、審判の声が鮮明に響き渡る。これで、スタンドからは大きなどよめきと拍手が溢れる。場内アナウンスが流れたのはこの後だ。ファンは、ここで洪成溶を投入することの意味を知っているのだ。このスタンドの一体感には、鳥肌が立った。

 球場の雰囲気は一変。洪の投入で、負けゲームの雰囲気は吹っ飛んだ。そして、洪は2つのアウトを簡単に奪う。一昨日の乱調を引きずっている様子はない。

 反撃ムードが圧倒的に高まった8回のウラ。四球で2死1塁の場面を作り、バッター川咲という盛り上がり最高潮のところで、徳島はストッパーの弦本を投入。

 この弦本。5月22日の徳島戦でも登板した徳島のストッパーなのだが、とにかく速い。この日の最速は147Km/h。せっかく洪成溶がいい雰囲気をつくったのに、弦本の登板前の投球練習だけで勢いが完全にしぼんでしまった。

 案の定、このあとはあっさりとゲームセット。9回に奥脇のまずい走塁もあったが、それがなくても勝利するのは難しかっただろう。これが絶対的ストッパーの力か。

 スタメン。

 やはり桑島と治下がいないのがつらい。この二人がいれば、今日の試合もシャットアウトされることはなかったはず。

 最近の注目は奥脇。開幕当初からスタメン起用が続くも、どうも調子が上がってこなかったが、ここのところの連日のマルチヒットで打率が.250を越えてきた。また、6回のホームランの時もフェンスを恐れないプレーを見せたり、難しいフライをダイビングキャッチしたり、ここのところ動きにキレがある。4番の美濃が相変わらず眠り続けているし、この奥脇を4番に起用するのも面白いかも。

 逆に心配なのはキャプテン前田。開幕当初は7番を打っていて、意外性のあるバッティングを見せていたが、ここのところの打順の組み換えや、桑島のケガもあり、最近は2番で起用。しかし、途端にヒットが出なくなり、今日も大事な場面でバントを失敗。打率は2割を大きく下回り、調子が上がってくる様子がない。一度スタメン落ちさせて、石田や横井にもう少しチャンスを与えてもいい頃かも知れない。

 今日も新入団選手を発表。右投げ投手の紙井投手。このまま大島を先発転向させるためにも、後ろを任せられる投手であってもらいたいものだが、果たして。

 徳島の先発は変則二段モーションの光安投手。この状態で一瞬投球動作が止まる。

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